うらすけこんにちは。現役教育コンサルタントの「うらすけ」です。
中学受験の選択肢として、Z会の通信教育を検討されている親御さんは多いですよね。
ネットで検索すると「Z会の中学受験コースは難しい」「ついていけない」「親が大変」といったネガティブなワードがずらりと並んでいて、申し込みボタンを押すのを躊躇してしまう……そんな経験はありませんか?
正直に申し上げますと、Z会の中学受験コースは、確かに「難しい」です。
市販のドリルや学校の勉強とは次元が違う難易度設定になっています。算数の特殊算や国語の長文記述など、大人でも頭を抱えるような問題が普通に出題されますから、不安になるのも無理はありません。
しかし、その「難しさ」の正体を正しく理解し、適切な対処法さえ知っていれば、これほどコストパフォーマンスに優れ、かつ最短距離で難関校への合格力を養える教材は他にありません。
SAPIXや四谷大塚といった大手塾に通わずとも、自宅でトップレベルの教育を受けられるのがZ会の最大の魅力だからです。
- Z会中学受験コースが「難しい」と感じられる構造的な理由
- 挫折しやすいポイントと具体的な乗り越え方
- 塾なし受験を成功させるための親の伴走テクニック
- コストを抑えつつ難関校を目指すための教材活用術
多くの家庭が直面する「Z会の壁」の正体と、それを乗り越えて合格を勝ち取るための具体的な「親の伴走術」について、私のコンサルタントとしての経験も交えながら詳しく解説していきます。
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Z会中学受験コースが難しい理由と構造的要因



まずは、敵を知ることから始めましょう!
「Z会は難しい」という評判は、単に「問題の偏差値が高い」ということだけを指しているわけではありません。
実は、通信教育という学習スタイルそのものや、Z会独自のカリキュラム設計に、子供がつまずきやすい構造的な要因が隠されているのです。
Z会についていけない主な原因
Z会中学受験コースを受講し始めて、最初に多くの親子が直面するのが「解説を読んでもわからない」「進度が早くて回らない」という壁です。これには、大きく分けて3つの原因が複雑に絡み合っています。
まず1つ目は、「思考力偏重」かつ「抽象度が高い」カリキュラム設計です。
Z会は伝統的に、知識の詰め込みよりも「なぜそうなるのか?」という思考プロセスを徹底的に重視します。これは入試本番、特に御三家などの最難関校では非常に強力な武器になるのですが、学習の導入段階では極めて高いハードルになります。
一般的な塾や参考書が「パターン学習(解法暗記)」から入るのに対し、Z会は「根本原理の理解」から入ります。基礎的な反復練習(ドリル学習)が比較的少なく、いきなり抽象度の高い「考えさせる問題」が登場するため、基礎力がまだ定着していない段階の子供にとっては、階段を2段も3段も飛ばして登らされているような感覚に陥りやすいのです。
特に、地頭が良いとされる子でも、精神的な成熟度が追いついていないと、「何を問われているのかすらわからない」という状態になりがちです。
2つ目は、「フィードバックループの間延び」による孤独感です。
通塾していれば、授業中にわからないことがあればその場で先生に質問したり、周りの友達の反応を見て「あ、みんなもわかってないな」と安心したりすることができます。この「他者との比較による安心感」や「即時解決」は、子供のメンタル維持に大きく寄与しています。
しかし、自宅での通信教育は基本的に「孤独な戦い」です。
タブレットの映像授業を見て理解できなければ、そこで学習がストップしてしまいます。質問機能はありますが、回答が返ってくるまでには数日のタイムラグがありますよね。
この「わからない」状態が放置される時間が長いことが、子供のモチベーションを削ぎ、「自分だけができていないのではないか」という不安を増幅させ、「ついていけない」という無力感につながります。
そして3つ目が、「自律学習スキルの未熟さ」と「スケジューリングの難しさ」です。
Z会は「自ら計画を立て、自ら学ぶ」姿勢を求めますが、精神的に未熟な小学生にとって、これを親のサポートなしで完遂するのは至難の業です。やる気が出ない日に誰も叱ってくれない、周りにライバルがいない環境下で、自分を律して机に向かい続けること自体が、大人以上に難しいことなのです。
また、学校行事や体調不良で一度スケジュールが崩れると、リカバリーするための予備日が設定しづらく、雪だるま式に未消化教材が溜まっていく「負のループ」に入りやすいのも、挫折の大きな要因となっています。
「教材の難易度」×「孤独な環境」×「即時解決できないもどかしさ」
この3つの掛け算が、Z会を「難しい」と感じさせる真の正体です。決して「お子さんの頭が悪いから」ではありません
算数が特に難しいと感じる理由



4教科の中でも、特に「算数が難しい」「算数で挫折した」という声はよく耳にします…。
国語や理社はなんとかなっても、算数だけは親の手にも負えなくなるケースが後を絶ちません。これには明確な理由があります。
Z会の算数カリキュラムは、大手進学塾と比較しても非常に独特で、「スパイラル学習の深度が深く、導入から実践までの距離が短い」という特徴があります。
通常、中学受験の算数は、4年生で基礎をやり、5年生で応用、6年生で発展というように、同じ単元を何度も繰り返しながら徐々にレベルを上げていきます(スパイラル方式)。Z会もこの方式をとってはいるのですが、1周目(例えば4年生や5年生の前半)の段階で、かなり深いレベルの理解まで要求してくるのです。
例えば、「比」や「速さ」といった抽象概念を扱う単元において、Z会のテキストはいきなり「線分図」や「面積図」を使った高度な解法を導入します。映像授業ではプロの講師が鮮やかに解説してくれますが、子供がいざ自分で問題を解こうとすると、「先生がやっていた通りに手が動かない」という現象が多発します。
これは、映像を見て「わかったつもり(受動的理解)」になっているだけで、実際に自分の手で解く「運用能力(能動的理解)」が追いついていない典型的なパターンです。多くの子供は、解説動画を見ただけで「解けるようになった」と錯覚しますが、実際には自分で白紙に図を描くトレーニングが圧倒的に不足しているのです。
さらに、Z会の練習問題は「良問精選」と言えば聞こえはいいですが、裏を返せば「類題演習の数が圧倒的に少ない」とも言えます。大手塾のテキストなら、数値替えの問題が何問も並んでいて、パターンを体に叩き込むことができますが、Z会はいきなりひねりの効いた応用問題が出題されます。
「基礎の反復」というステップを家庭で補わずにテキストだけを進めようとすると、算数に自信がない子は確実に消化不良を起こしてしまいます。
特に「特殊算(つるかめ算、旅人算など)」においては、公式を当てはめるだけでなく、「なぜその式になるのか」を図で説明できるレベルを求められるため、感覚的に解いてきたタイプの子はここで壁にぶつかります。
Z会の算数は「考える楽しさ」を教える素晴らしい教材ですが、「解ける楽しさ」を感じる前に「難しすぎて嫌になる」リスクも孕んでいます。思考力問題への耐性がない段階では、劇薬になり得ることを理解しておきましょう。
偏差値と合格実績から見る難度
Z会中学受験コースの難易度を客観的に測るには、その「合格実績」を見るのが一番早いです。
Z会が公式に発表している合格実績には、開成、麻布、桜蔭、筑波大学附属駒場(筑駒)、灘といった、日本トップクラスの最難関中学の名前がずらりと並んでいます。これらの学校は、偏差値70超え(首都圏模試などでは測定不能レベル)の超難関校です。
例えば、2024年度の入試結果を見ても、通信教育メインの学習でこれだけの難関校に合格者を出しているのは驚異的と言えます。
しかし、ここで冷静に考えるべきなのは、「Z会のカリキュラム標準設定自体が、偏差値60〜70以上の最難関校合格をターゲットに合わせている」という事実です。Z会のテキストに掲載されている問題の多くは、これら最難関校の入試問題を分析し、そこから逆算して作られています。
これは、一般的な模試で偏差値50前後(中堅校レベル)を目指す層にとっては、明らかにオーバースペックな内容が含まれていることを意味します。
例えば、偏差値50の学校を目指すなら、「基本問題」を完璧にすれば合格ラインに届きますが、Z会ではその先の「応用」「発展」までカリキュラムに含まれており、しかもそれが「標準ルート」として提示されます。
真面目な親子ほど、「これもやらなきゃいけない」と必死になって全てをこなそうとしますが、それが結果としてオーバーワークとなり、基礎がおろそかになるという皮肉な結果を招くことがあります。
多くの親御さんが誤解しがちなのが、「Z会をやっていれば自然と成績が上がる」という幻想です。
実際には、「最初からある程度の地頭の良さや学習習慣がある子が、Z会という高度なツールを使いこなして合格している」という側面も否定できません。



偏差値40〜50台からスタートする場合、Z会のテキストをそのままのペースで進めることは、登山初心者がいきなり冬の富士山に登るような無謀な挑戦になりかねません…。
「難しい」と感じるのは、お子さんの能力が低いからではなく、単純に「教材の想定レベル」と「現在の実力・志望校のレベル」のミスマッチが起きている可能性が高いのです。
ブログや口コミでの評判は?
ネット上のブログやSNS、教育掲示板などでZ会中学受験コースの口コミをリサーチすると、評価は見事に二極化しています。
まさに「天国と地獄」といった様相で、中間的な意見が少ないのが特徴です。なぜこれほどまでに評価が分かれるのでしょうか。
ポジティブな口コミ
「通塾の時間ロスがなくなり、習い事やスポーツと両立できた」
「良問揃いで、一問解くだけで思考力が鍛えられた」
「費用が安く済み、浮いたお金で私立中の学費を準備できた」
といった声が多く見られます。
こうした成功している家庭に共通しているのは、「親のマネジメント能力が高い」あるいは「子供が精神的に大人びていて、知的好奇心が強い」という点です。パズルが好きで、難しい問題に対して「なんでだろう?」と食らいついていけるタイプの子には、Z会は最高の知育教材となります。
ネガティブな口コミ
「親が勉強を教えないと進まず、親子喧嘩が絶えない」
「毎月の教材が溜まっていくプレッシャーに押しつぶされそう」
「わからない問題がありすぎて子供が泣き出した」
といった声が多く見られます。
といった内容です。中には「Z会のせいで家庭崩壊しかけた」「親の狂気が目覚めてしまった」という激しい言葉も見られます。
これらの家庭では、親が「先生」になろうとして失敗しているケースが大半です。親が感情的に怒ってしまったり、完璧を求めすぎて子供を追い詰めてしまったりすることで、勉強そのものが嫌いになってしまうのです。
| 成功している家庭の特徴 | 苦戦している家庭の特徴 |
|---|---|
| 親が進捗管理(マネジメント)に徹している 全部やろうとせず、大胆に取捨選択している 外部模試を活用して、客観的な立ち位置を把握している 「わからない」を放置しない仕組み(質問機能や外部ツール)がある | 子供に丸投げ(自走を期待しすぎている) 真面目に全問解こうとしてパンクしている Z会内テストの結果だけで一喜一憂し、子供を責める 親が感情的に怒って教えてしまい、親子関係が悪化している |
このように、Z会の評判が良いか悪いかは、教材そのものの質というよりも、「家庭での運用体制」が整っているかどうかに大きく左右されていることがわかります。
ブログでの失敗談の多くは、Z会が悪いのではなく、「Z会の難しさを甘く見ていた」ことによる準備不足や、親の関わり方のミスボタンが原因であるケースが多いのです。
5年生の定着度テストで挫折?



Z会を続けていく中で、多くの家庭が直面する最大の危機、それが「5年生の壁」です。
特に、定期的に実施される「定着度テスト(到達度テスト)」の結果を見て、その難易度と点数の低さに愕然とし、挫折や転塾を考えるケースが後を絶ちません。多くのブログでも、5年生の夏前から秋にかけて更新が止まったり、「転塾しました」という報告が増えたりするのはこのためです。



なぜ5年生なのでしょうか?
それは、中学受験のカリキュラムにおいて、5年生が最も学習密度が高く、内容が急速に抽象化する時期だからです。
「割合と比」「速さと比」「平面図形の移動」「立体図形の切断」など、直感だけでは解けない、論理的な思考を要する単元が次々と登場します。4年生までは、親御さんが少し教えればなんとかなっていた家庭も、5年生になると親自身も即答できない難問が増えてきます。
そんな中で迎える定着度テストで、これまで学校のテストでは100点しか取ったことがないような子が、平均点を大きく下回る点数を取ったり、偏差値40台を叩き出したりすることがあります。
Z会の会員層はもともとレベルが高いため、母集団のレベルが高く、偏差値は厳しく出がちなのです。このショックを受けて、「うちの子には無理だったんだ」「通信教育の限界だ」と心が折れてしまうのです。



ここが踏ん張りどころであり、冷静な分析が必要なタイミングです。
この時期に点数が下がるのは、Z会のレベルについていけていないというよりも、「中学受験生全員が苦しむ時期」だからです。塾に行っている子たちも同じように苦しんでいます。このテスト結果を「撤退の合図」と捉えるか、「苦手を洗い出すチャンス」と捉えるかで、その後の受験生活は大きく変わります。
重要なのは、偏差値や順位ではなく、「正答率の高い問題(A問題・B問題)を落としていないか」を確認することです。正答率50%以上の問題を落としているなら基礎固めが必要ですが、正答率10%以下の難問ができなくても気にする必要はありません。
多くの先輩ユーザーも、この5年生の谷を、学習量の調整や、基礎への立ち返り(時には4年生のテキストに戻るなど)を行うことで乗り越えています。
ショックを受けるのは親の期待値が高いからこそ。
「5年生は落ちて当たり前」くらいのメンタルで構えておくことが、親の精神衛生上非常に重要です。
Z会中学受験コースは難しいがコスパ最強の選択肢
ここまで、Z会の「難しさ」について厳しい現実をお話ししてきました。これを聞いて「やっぱりやめようかな」と思った方もいるかもしれません。
しかし、ちょっと待ってください。
私はそれでもなお、Z会中学受験コースは「最強の選択肢」であると断言します。
なぜなら、この「難しさ」さえコントロールできれば、大手塾に通う数分の一の費用で、最高品質の教育環境を手に入れられるからです。
ここからは、Z会のメリットを最大限に活かしつつ、難易度の壁を乗り越えるための具体的な戦略をお伝えします。
塾なしで合格するための戦略
「塾なし」でZ会一本、あるいはZ会を主軸にして合格を勝ち取るために最も必要な戦略。
それは、「捨てる勇気」を持つことです。
これを専門用語で「取捨選択(トリアージ)」と呼びます。真面目な親御さんほど陥りやすいのが、「テキストの最初から最後まで、すべての問題を解かせなければならない」という思い込みです。
先ほども触れたように、Z会の教材は最難関校対応を含んだ「フルスペック」の状態です。



最初から最後まで、一言一句すべて完璧にこなそうとすると、99%の子供は潰れます。
特に、算数の「発展問題」や国語の「難解な記述問題」は、志望校のレベルや現状の学力によっては、現時点では「やる必要のない問題」である可能性が高いのです。
例えば、偏差値50〜55の中堅校を目指すのであれば、Z会の「練習問題」までを確実にこなせば十分お釣りがきます。「発展問題」に手を出して自信を失うより、基礎問題を3回繰り返した方が合格率は確実に上がります。
親御さんがやるべき戦略的判断は以下の通りです。
- レベルの見極め:
⇢「志望校の過去問レベルと照らし合わせ、明らかにオーバーワークな難問は、親が事前に×印をつけて「やらなくていい」と明示する。 - スパイラル前提の学習:
⇢「今回で完璧に理解しなくても、どうせまた6年生で出てくる」と割り切り、理解度が7割程度でも先に進む勇気を持つ。完璧主義は受験勉強の最大の敵です。 - 時間の区切り:
⇢ 「1教科1時間」と決めたら、途中でもスパッと切り上げる。ダラダラ勉強を防ぎ、集中力を高めると同時に、睡眠時間を確保する。
Z会の教材は「こなすべきノルマ」ではなく、「必要な部分をつまみ食いするためのバイキング」だと考えてください。全部食べようとしてお腹を壊すのではなく、自分の子供の消化能力に合わせて、栄養価の高い部分だけを美味しくいただく。
この発想の転換ができるかどうかが、塾なし受験の成否を分けます。親がこの「編集長」としての役割を果たせれば、Z会は「難しすぎる教材」から「効率的な最強ツール」へと変わります。
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料金は大手塾と比較して格安
Z会を選ぶ最大のインセンティブは、やはり圧倒的なコストパフォーマンスです。中学受験にかかる費用は「課金ゲーム」と揶揄されるほど高額ですが、Z会はその常識を覆します。具体的な数字で比較してみましょう。
一般的な大手進学塾(SAPIX、早稲田アカデミー、日能研など)に通った場合、6年生の1年間だけで授業料、講習費、テキスト代、テスト代を含めて約100万円〜120万円かかると言われています。ここには、夏期講習などの季節講習費(10万円〜20万円)、日曜特訓、志望校別対策講座などのオプション費用が含まれます。
さらに、通塾のための交通費や、夕食のお弁当代、親の送迎にかかる時間コストも含めれば、負担は計り知れません。
対して、Z会中学受験コース(トータル指導プラン・4教科)の場合、6年生でも月額約27,000円〜29,000円程度(※12ヶ月一括払い等の場合)。年間でも約35万円〜40万円程度に収まります。これは大手塾の約3分の1の価格です。季節ごとの追加講習費用もかかりませんし、交通費もゼロです。
この差額は単なる「節約」ではありません。この予算を「苦手科目の家庭教師代」や「個別の弱点補強教材」といった戦略的投資に回すことができるのです。
例えば、算数が苦手なら、浮いたお金で「月2万円の個別指導」を追加しても、トータルではまだ大手塾より安いのです。「安いから質が悪い」のではなく、「教室の家賃や人件費がかかっていないから安い」のが通信教育の仕組みです。
教材の中身自体は大手塾に全く引けを取りません。浮いた資金を有効活用して、子供に合わせたオーダーメイドの学習環境を作れることこそ、Z会ユーザーの特権なのです。この「予算の余白」が、受験後半戦での選択肢を広げてくれます。
親の負担を減らす伴走テク
「Z会は親が教えないといけないから大変」というのは、半分正解で半分間違いです。
正しくは、「親が教えようとするから大変になる」のです。多くの親御さんが、子供が解けない問題を見ると、「なんでわからないの!」とイライラし、自分が理解してから教えようと努力します。しかし、中学受験の勉強内容は特殊であり、親世代の知識で教えようとすると、解き方が違ったり、余計に混乱させたりすることが多々あります。
親御さんの役割は「ティーチング(先生役)」ではなく、徹底して「マネジメント(管理者役)」に回るべきです。親子で勉強を教え合うと、どうしても感情的になりがちです。難しい問題の解説は、プロ講師によるZ会の映像授業や、質問機能に任せましょう。
では、親は何をするのか? 具体的には以下の「環境整備」に徹してください。
- 週間スケジュールの作成:
⇢「いつ、どの科目を、どこまでやるか」を日曜日夜に一緒に決める。子供に決定権を持たせることで、やらされ感を減らします。 - 教材とプリントの整理:
⇢Z会は毎月大量の紙が届きます。これをファイリングし、今日やる分だけを机に出してあげる。子供はプリントを探すだけで集中力が切れます。 - 進捗確認と丸付け:
⇢ 「やったかどうか」の確認と、丸付け(低学年〜中学年の場合)。解説を読んでもわからない箇所のピックアップ。 - メンタルケアと「俳優」になること:
⇢ 「難しかったね」「ここまで頑張って偉いね」と共感し、孤独感を和らげる。どんなに腹が立っても、俳優のように笑顔で励ます演技力が必要です。
親は「並走するランナー」ではなく、「給水所のスタッフ」のイメージです。子供が走りやすいように道路を整備し、適切なタイミングで水やタオルを渡す。実際に走るのは子供自身です。この割り切りを持つだけで、親の精神的な負担はグッと軽くなります。



どうしても教える必要がある場合は、親が教えるのではなく「一緒に映像授業を見る」というスタンスをとると、対立構造にならずに済みますよ。
トータル指導プランの選び方
Z会中学受験コースには、大きく分けて「トータル指導プラン」と「要点集中プラン(塾併用要点学習プラン)」の2つが存在します(※学年や時期により名称が異なる場合がありますが、基本構造は同じです)。
どちらを選ぶべきか悩む方も多いですが、状況に応じて明確な選び方があります。
これからZ会をメインに学習を始める方、あるいは塾なしで頑張りたいと考えている方には、迷わず「トータル指導プラン」をおすすめします。
このプランには「担任指導者」がつき、月例テストの提出目標管理や、定期的なメッセージによるサポートが受けられます。タブレット学習機能もフルに活用でき、学習スケジュールが自動で生成される機能なども充実しています。
通信教育の最大の敵は「強制力のなさ」によるサボりですが、担任の先生に課題を提出するという「他者の目」があるだけで、子供の継続率は格段に上がります。「先生が見てくれている」「今月もシールをもらおう」という意識は、家庭学習における重要なモチベーション維持装置になります。
また、トータル指導プランでは、全ての単元を網羅的に学習できるため、抜け漏れのリスクが減ります。
一方で、「要点集中プラン」は、すでにSAPIXや四谷大塚などの塾に通っていて、「塾の授業でわからなかった単元だけをZ会の映像授業で補強したい」「苦手な社会だけZ会で深掘りしたい」といった「副教材」としての利用に特化したプランです。演習量やサポートが簡素化されているため、Z会メインで受験を乗り切るには心もとありません。演習問題の量もトータル指導プランに比べて少なくなっています。



Z会のプラン変更はなんと月単位で可能です!
「最初はトータル指導プランで始めたけれど、算数だけ塾に行くことになったから要点集中に変える」といった柔軟な運用も可能です。
まずはフルサポートのトータル指導プランで始め、子供の様子や家庭の生活リズムに合わせて調整していくのが、最もリスクの少ない王道のアプローチです。
家庭教師や市販教材との併用
「Z会のテキストが難しすぎて進まない」「親が解説を読んでも説明できない」。そんな壁にぶつかった時の最強のソリューションが、「外部リソースとのハイブリッド運用」です。Z会一筋で頑張ろうとして親子共倒れになる前に、賢く外部の力を借りましょう。
Z会ユーザーの中で密かに流行っているのが、「オンライン家庭教師」のスポット利用です。
「トウコベ」や「マナリンク」といったサービスを使えば、東大生やプロ講師に自宅からオンラインで質問ができます。「毎週ガッツリ教わる」のではなく、「Z会でわからなかった算数の難問を3つだけ、週に1回解説してもらう」といった使い方が可能です。



トウコベについて興味がある方はこちらの記事もご覧ください。


これなら月額数千円〜1万円程度で収まり、Z会の会費と合わせても大手塾より安く済みます。「わからない問題が積み残されている」というストレスが解消されるだけで、学習サイクルは驚くほどスムーズに回り始めます。
特に6年生の過去問対策の時期には、Z会の添削だけでは間に合わない細かな指導を仰ぐのに非常に役立ちます。
おすすめの市販教材併用パターン
- 計算力強化:
『計算の極意』や『予習シリーズ 計算』などで、毎朝5分の計算習慣をつける。Z会は思考力重視のため、単純な計算ドリルの量が不足しがちです。 - 基礎固め:
『自由自在』や『?に答える!』などの分厚い参考書を辞書がわりに手元に置く。Z会の解説でピンとこない時、別の説明を読むことで理解が進むことがあります。 - 動画教材:
『スタディサプリ』小学講座。Z会の授業はハイレベルなので、基礎の基礎がわからない時は、スタサプの神授業を見てからZ会に戻るとスムーズです。月額2,000円程度なので保険として最適です。
Z会を一冊の聖書のように崇めるのではなく、「Z会=メインの教科書」「わからないところ=家庭教師」「基礎不足=市販ドリル」と、パーツを組み合わせて「我が家だけの最強カリキュラム」を作ってしまうのです。これができるのが、柔軟性の高い通信教育の醍醐味です。
よくある質問(FAQ)
最後に、Z会中学受験コースを検討している方、現在苦戦している方からよく寄せられる質問にお答えします。
- Z会だけで最難関中学に合格できますか?
-
十分に可能です。実際に開成や筑駒への合格実績があります。
ただし、丸腰で挑むのは危険です。親の徹底したスケジュール管理、過去問対策の時期における親のサポート、そして必要に応じた外部リソース(模試、スポット家庭教師など)の活用が、合格のカギを握ります。
「Z会教材」×「家庭の伴走力」の掛け算が必要です。
- 途中からついていけない場合はどうすればいいですか?
-
まずは「難易度レベル」の見直しを検討しましょう。
Z会にはハイレベルとスタンダードのようなレベル設定がある場合があります。無理をしてハイレベルにしがみつくより、スタンダードで基礎を固めた方が結果的に成績は伸びます。
また、全ての科目をZ会にするのではなく、「算数だけ市販教材や個別指導に切り替える」といった部分的な撤退も賢い選択です。
- 算数が難しすぎて子供の手が止まってしまいます…。
-
解説映像を見ても手が止まるなら、その単元の基礎知識が不足しているサインです。
Z会のテキストを一旦脇に置き、市販の『教科書ワーク』やスタディサプリなどの、より噛み砕いた基礎講座に戻ってください。急がば回れで、基礎概念を理解してからZ会の問題に戻ると、意外とすんなり解けることがあります。
- 親が勉強を教えられないと厳しいですか?
-
親が勉強を教える必要はありませんし、むしろ教えない方が良い場合も多いです。
ただし、「何がわかっていないか」を特定し、「どのツール(映像、質問機能、外部サービス)を使えば解決できるか」を判断するマネージャーとしての役割は必須です。
勉強の内容そのものではなく、学習の進め方をサポートしてあげてください。
Z会中学受験コースは難しいが挑む価値はある
Z会中学受験コースは、確かに「難しい」教材です。
しかし、その難しさは決して理不尽なものではなく、最難関校合格に必要な思考力を養うために逆算された、必然的なハードルでもあります。
この教材に真剣に取り組むことは、単に偏差値を上げるだけでなく、子供に「自ら計画を立て、わからないことに向き合い、解決する」という、一生モノの自律学習能力を身につけさせる絶好の機会となります。
重要なのは、「Z会にお任せ」にするのではなく、「Z会という強力な武器を、家庭がいかに使いこなすか」という視点です。
全部できなくてもいい。つまみ食いでもいい。
親子のペースで工夫しながら伴走し続けた先には、塾通いだけでは得られない、たくましい成長と合格が待っているはずです。まずは資料請求やお試し教材で、その質の高さを実感してみてください。案外、「これなら面白そうだ」とお子さんが目を輝かせるかもしれませんよ。
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